わかった気にならない技術「言語化」とはなにか

頭の中にあるはずのことが、上手く言葉にできなかったという経験はないだろうか。

上司「〇〇さん、これ彼に説明してあげて」

自分「あ、わかりました。これはですねー….」

(どこから話始めよう)

(結論なんだっけ)

(言いたいことこれで良いんだっけ)

(なんか違う気がする)

もし頻繁にこういった経験をされる方がいるとすれば、それは「言語化」の経験が足りていないかもしれない。

言語化とは何か

ビジネスの場では「言語化」という言葉がよく聞かれる。

まさにその部分が重要なんだ。ちゃんと言語化してくれ!

(こんなアツい使われ方がしているかはわかりませんが・・・)

言語化とは、漢字を見れば「ことばにする」という当たり前のことを言っているようなのだが、この言語化という行為は、自分自身の成長、ひいては仕事の成果に対して非常に重要なものである。

Googleで検索すれば「言語化は大事だよ!」という記事は結構あるのだが、「なぜうまく言語化できないのか」「なんで言語化が良いのか」など言語化そのものに対する理解を深めずに「言語化が大事!」という結論に飛びつくのは、物事を深く理解する目的で言語化しようとしているのに矛盾してるんじゃ(略)

そんな感覚的な話を書いている記事がなさそうだったので、今回はその「感覚」から、言語化を可能な限りわかりやすく説明することにトライしていきたい。

言語化の仕組み

言語化とは、前述の通り「ことばにすること」である。しかしこれだけでは言葉足らずなので、もう少しリッチな言い方をすると「頭で考えていることを、ルールのもとで意味を持った言葉にすること」である。

この言語化の定義をプロセスとして考えると3つのプロセスに分かれる。

①インプットする⇒②思考する⇒③言葉に落とす

である。次から1つ1つのプロセスについて見ていきたい。

①インプットする

まず言語「化」と言うからには、言語にする元の材料が必要になる。それがインプットである。インプットとは自分が外から(自分の中で思考して生成することもある)受け取った情報のことである。人から聞いたこと、自分の目で見たこと、本で読んだこと、など様々な種類の情報がインプットである。この情報を材料として、言語化を行うことになる。

②思考する

次にインプットして、自分の頭の中にあることを考える。頭の中をまわして、自分がどういうことを言いたいのかを探してる状態である。このときは言語まで具体的なレベルで考えていることはなく、もっと抽象的に、言葉に出そうとしている要素と、要素間の関係性などが想起されている。

上手く話せない人はここで止まっている可能性が高い。色んなインプットをして、たくさん頭の中で考えていても、それらを自分の血肉にしていくのは次のプロセスだ。よく読んでよく考えるという方であれば「言語化」を意識することで大きく化ける可能性が高い。

③言葉に落とす

最後は思考したことを実際に何か目に見えたり、音にしたり、言葉として外にだすことだ。文章として書いたり、声に出して人に説明したりする。このアウトプットによって自分の中にあった情報が「言語化」されたということになる。しかしこの言葉に出すときに2つのルールが働く。「論理ルール」と「言語ルール」だ。

1. 論理ルール
論理とは、物事の筋道・つながり・関係のことだ。意味を持った言葉を述べるときには、言葉の要素と要素を意図したようにつなげなければならない。関係とは例えば因果の関係、修飾する関係、主語と述語の関係など、様々な関係が関係が考えられる。これらの関係がルールとなる。表したいことを適切に表現する論理に当てはめなければ、自分の表したいことを表すことはできない。言語化すると要素同士が論理でつながっているかどうかが明確になる。もし言語化して、論理が通っていない、よく意味をなさないのであれば、それはまだ理解が上手くできていない、ということになる。

2. 言語ルール
次に言語のルールである。ここでいう言語とは「日本語」「英語」「スペイン語」などの言語のことだ、論理ほど重要ではないが、言語化したいことの論理はわかっていても、最終的に言葉にしたい言語の記述ルールを知らないと言語化はできない。

ルールとして重要なのは①論理であり、恐らく②言語はほぼ意識することはない。まずは論理のルールに自分の言いたいことを当てはめられることが言語化の1stステップになる。

言語化が上手く出来ない大きな理由の1つは、言語化の対象を構成している語句の定義を曖昧に理解していることだと思われる。曖昧に理解しているから、矛盾などに気づきにくい。明確な定義のもとで理解ができていれば、他の対象との関係性を適切に把握しやすいため、上手く言語化ができる。

なぜ言語化が重要なのか

前段では「言語化とは何か」ということを掘り下げた。次になぜ言語化が重要なのかについて考えたい。なぜ会社で上司に「言語化しろ!」と口酸っぱく言われるだろうか。

端的に言うと「より成長が促進されるから(そして成果につながるから)」という答えになると思う。大抵の人は成長が必要だと感じているはずだ。具体的にどのように成長を促進するかは大きく以下の4つになると思っている。

1. より深い理解ができるようになる

言語化をすることで、言語化した対象に関する情報が体系化され、知として活用することができるようになる。活用ができて初めて「理解」した、ということができるだろう。逆に言語化していないことは、対象についての情報が整理できておらず、いざ使おうと思っても上手く扱えない事が多い。もし言語化しようとした時に、上手く言い表せない、ということがあれば、それはまだ理解できていないことのサイン。なんとか言語としてひねり出してみて、曖昧になっている部分を明確にし、情報を足したり、もっと自分で考えてみるということが必要だ。

2. 自信や確信が高まる

しっかりと言葉にしたことは、自分の中で確信や自信につながりやすい。目標は文字に起こすとモチベーションが高まってくるというのは、まさにそういうことで、ある種自己暗示的な作用が言葉にはあると思う。自信や高いモチベーションはさらなる成長の動力になる。

3. 人からの意見・フィードバックがもらえる

言葉にしないと他人はその人が考えていることなど全くわからない。成長に欠かせない他人からのフィードバックをもらうには、まず明確に自分の考えを言語化する必要がある。

4. 自分自身の変化量が見直せる

言語化して、録音したり、書き起こすことで、言語化したことは保存される。そうすれば自分がどの地点でどんなことを考えていたかがわかり、自分の考えの変化が客観的にわかるようになる。「あの頃と考えていたことは変わっていない」というのは、言語化しておかなければわからない。

効果的な言語化のトレーニング方法

どうやって言語化を行うことが有効化を考えたい。ここに私が有効だと考えている方法を3つ書いてみる。

1.言いたいことを図示する
働き始めるまであまり意識していなかったが、図示することが良い言語化(正確には言語ではないが)トレーニングになると考えるようになった。図示においては、論理(特に要素間の関係性)の部分の理解を深めることにフォーカスがされる。言葉の定義理解はマストとして、各要素のエッセンスの部分を抽象化して取り出し、それを他の要素と関連付けることで、まずどんな方向性の言葉で要素と要素をくっつければいいのか、という点が考えられるようになる。

2. 人に説明する
特にクライアントと相対する形での説明は非常に重要な言語化の機会になる。身内に説明する場面での言語化は、曖昧な部分があってもコンテキストの共有もあるので、理解されるし、要求水準的にも割とゆるくOKなことも多い。しかしお客様に説明するとなると、相当に深い理解と高い言語化能力が問われる。常日頃から人にわかりやすく言葉で説明することを習慣にするのが良い。感覚的だが、テキストでの説明より口頭での説明のほうが圧倒的に理解が深まると思っている。

3. ブログ・twitterに書く
私もブログをしたためていますが、ブログやtwitterは言語化の練習に適している。常日頃に考えたことをブログに書き起こすと、思ってたより理解していないな、と気づいたりすることが多い。twitterは結論だけを書くのに向いていて、あとで掘り下げようと思うことを、一旦書いておくという用途で私は使っていいる。

言語化を習慣へ

言語化は習慣にすると面白くなってくる。とりあえず聞いたこと見たことを殴り書きでもいいから、紙に書き出していくと頭がクリアになってくる。そこに人からのコメントが加わると更に言語化が進む。これが楽しくなってくると言語化オタクのように、なんでもまず言葉にしてみる癖がつく。

まず学んだことは言語化する。きちっと自分の理解と齟齬なく言葉にできたならば「理解した」と胸を張っていいだろう。

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